キヤノンの新世代プロプリンターPRO-1000の大検証会を実施

使用機材&ゲスト

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予約殺到で納品は2か月待ちとの噂も出ている大人気のA2プロプリンター「PRO-1000」が、この日のために4台も運び込まれました。キヤノンさんに感謝です。

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新顔料インクとクロマオブティマイザーによる12色「LUCIA PRO インク」を搭載。色の再現性や暗部領域での表現力がさらに上がったといわれています。

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キヤノンさんからはPRO-1000開発者である田鹿さんと宮崎さん、キヤノンMJさんから菊山さんと小林さんが来てくださり、詳細なレクチャーもしてくださいました。

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EIZOさんからも厳密な色管理ができる27型カラーマネージメント液晶モニターを3台ご提供いただき、山口さんと近藤さんが来てくださいました。

キヤノンさんのレクチャー

キヤノンさんのレクチャー
キヤノンさんのレクチャー

キヤノンさんのレクチャー
キヤノンさんのレクチャー

まず最初に、キヤノンMJの小林さんとPRO-1000開発者である田鹿さんから詳しくレクチャーしていただきました。とくに、田鹿さんはどのような点を改善するためにどのような工夫を行なったかという開発者ならではお話で、ほかではなかなか聞くことのできないお話ばかり。貴重な機会をいただけたと感謝しております。

キヤノンさんのレクチャー

キヤノンさんのレクチャー

キヤノンさんは2つのライトボックスも用意してくださいました。左が周囲を黒で囲い、右は白。これは周囲からの反射光がある環境下でどう見え方が変わるかの検証をするため。写真左のPRO-1に比べて、右側のPRO-1000は黒濃度の変化とブロンズ現象が起こらず、作品の鑑賞環境に左右されにくいことがわかります。

SAMURAIの「用紙の達人」村田さんのレクチャー

SAMURAIの「用紙の達人」村田さんのレクチャー
SAMURAIの「用紙の達人」村田さんのレクチャー

SAMURAIの「用紙の達人」村田さんのレクチャー
SAMURAIの「用紙の達人」村田さんのレクチャー

さまざまなインクジェット用紙の特性を測り、その特徴や使いこなし方などを教えてくれているSAMURAI FOTOの「用紙の達人」村田光司さんも、キヤノンの写真用紙プレミアムマットを使って、PRO-1000を検証した結果を発表してくれました。プリント後の彩度変化で、色乗りと青を除く各色の階調感はいいが、青の階調のつながりがよくないのが気になったということです。

PRO-1000でのプリントにトライ!!

PRO-1000でのプリントにトライ!!
PRO-1000でのプリントにトライ!!

PRO-1000でのプリントにトライ!!
PRO-1000でのプリントにトライ!!

新インクシステムにより色再現領域(とくに暗部とマゼンダ)が拡大。キヤノンさんが独自に開発した透明インク「クロマオプティマイザー」により、光反射のムラを抑制し、引き締まった黒を表現。そして、新顔料インクによりブロンズ現象を抑制し、保存性を高め、さらには2つのプリントヘッドで高密度なインクを吐出。新たに搭載された用紙の挙動をおさえるエアーフィーディングシステムなど、PRO-1000の特徴を体感しながら、SAMURAIメンバーそれぞれが自分の作品をプリントしました。かなりのプリントの経験とテクニックを持つメンバーばかりなので、それはもう熱心でした。

PRO-1000のインプレッションを発表

PRO-1000のインプレッション:原田浩司さん

キヤノンPRO-1を使用中の原田浩司さんはPRO-1000との比較を明確にするため、あえてレタッチしない画像を持参。右がキヤノン純正のファインアート紙(高濃度)のプロファイルでモノクロモードで印刷したPRO-1のプリント。下の暗部出ていない。それに比べて、PRO-1000の高精細ファインアートという純正のプロファイルでモノクロモード印刷した左のプリントでは容易に黒の濃度を出すことができました。何もしないでこれだけ黒が締まって出てきたのはすごい。ただし、カラー画像をPRO-1000のハーネミューレのプロファイルで印刷したところ、青がべったりし、少しマゼンダがかったのが気になったという。

PRO-1000のインプレッション:蓮見浩明さん

蓮見浩明さんはご自分のプロジェクト用に、伊勢和紙さんに特注してつくってもらった三椏三層紙にプリントしました。左がi1 Photo Pro2で2500パッチを測定して自作したプロファイルを使って、エプソンのプリンターで印刷。右は、キヤノン純正の和紙プロファイルで印刷。画像左側の黒くつぶれている部分はほとんど同じだが、若干、色相に違いが出たように感じる。PRO-1000でも同じ条件でICCプロファイルを自作したものを使っていないため、厳密に結論を出すことができないが、素晴らしいのは耳付きの和紙でも給紙が簡単に上手くいったこと。この用紙を使う蓮見さんにとっては朗報でした。

PRO-1000のインプレッション:前田歩さん

前田歩さんは自作のプロファイルを当てて、エプソンPX-5002で印刷したプリント(左)と、フォトラグのプロファイルを当てて、PRO-1000で印刷したものを比較。黒の濃度が出ることから質感にも影響があると予想したが、ほかの色部分は置いておいても、黒っぽい枝の質感や精細感はPRO-1000に軍配が上がると感じたそうだ。和紙に印刷することが多いため、普段はL値20~25以上のデータをつくって、モノクロプリントすることが多いが、今回は色のほうを見たかったのでこのようなカラーデータを準備。しかし、色味のほうは、もう少し使いこなしてみないとまだわからないので、購入を前向きに検討したいと語ってくれました。

PRO-1000のインプレッション:吉田繁先生

吉田繁先生はエプソンのブリンターとPRO-1000の色相の違いなどを把握するために、カラーチャートを印刷して比較しました。用紙はメーカー純正紙でないものを使用。エプソンはウルトラスムースのプロファイルを当て、PRO-1000は「ファインアート紙(高濃度)」という一番インクの吐出量の高いものを選んだという。その結果、大きく異なるところはなかったが、ブルーだけはとても違った。PRO-1000のほうはマゼンダが強くなると同時に、全体の色が薄くなり、エプソンは全体に濃くなり、シアンブルーっぽくなった。ほかのターゲットチャートは見比べたが、ざっと見たところでは絵作りしたときに嫌だと感じるところはなかったという。モノクロ印刷に関しては、モノクロ写真モードにしたほうがプリンター側から見れば、イン点アウト点も多いし、階調がきれいになる。ただし、AdobeRGBデータの場合には階調がジャンプするので、モノクロモードで印刷する際にはsRGBデータからプリントすることをおすすめしたいそうだ。これはエプソンの場合も同じです。また、エアーフィーディングシステムの搭載はプロ用としては素晴らしいが、あまり過信しすぎずに、用紙を入れる前には平らにしておくようにと言われました。

PRO-1000のインプレッション:佐々木一弘さん

佐々木一弘さんはハーネミューレのフォトラグに印刷。左は自作のプロファイルを当てて、エプソンSC-PX5Vllで印刷。右はキヤノンさん提供のプロファイルをダウンロードして、PRO-1000で印刷しました。左が多少、マゼンダがかっているようにも感じられましたが、全体的な印象としてはそんなに変わりはなかったという。だだし、よくよく見ると、シャープ感が異なるそうで、PRO-1000のほうがシャープ感が感じられるという。また、伊勢和紙の芭蕉に、自作プロファイル+エプソンとPRO-1000の和紙モードでプリントしたところ、こちらは全然違った。PRO-1000にも精密なプロファイルを自作した上で、それを当てれば、正確に比較できたし、芭蕉は和紙の中でも特殊なので、また、別の機会に正しく比較してみたい。

PRO-1000のインプレッション:田上晃庸さん

田上晃庸さんは光沢紙(モアブ)に印刷。右はキヤノンの大判プリンターimage PROGRAFでプリント。田上さんは「知覚的」と「相対的」の2種類を印刷して、結果から自分の意図にあった方を選んでいる。真ん中はPRO-1000で「知覚的」で印刷したが、部分的に赤味が強まったところが気になった。左がPRO-1000で「相対的」で印刷したものだが、若干明るくなったが大きな違いがなかった。光沢紙を使用したので、マット紙ほど大きな差が出るということはなかったと思うが、通常の環境光を再現したライトボックスに入れてみたところ、PRO-1000の新インクだと、暗部が映り込みの影響を受けにくいと感じられたという。映り込みの影響を受けやすい用紙を使っている田上さんにとって、その点がとても気に入ったということだった。

PRO-1000のインプレッション:EIZOの山口さん

EIZOさんの山口さんは、最近、グループ展で展示した画像データを持参されて、 PRO-1000で印刷されました。展示作品はエプソンPX-5Vでウィルトラスムースファインアートで相対的と知覚的の両方にプリントして比べたところ、知覚的のほうがカッコよかったのでそちらを展示されたとのこと。今回はPRO-1000でプレミアマット紙に知覚的で印刷したが、印象的にはほぼ同じだっという。背後の山やその手前の樹木などの暗部の出方が自分的には好きだと感じられたそうだ。ただ、赤の色相が少しオレンジ気味になっているような気がしたところだけが気になったという。

PRO-1000のインプレッション

PRO-1000のインプレッション

PRO-1000のインプレッション

今回はほかにも多くのSAMURAI メンバーがPRO-1000を使用させていただき、いま使っている自分のプリンターとどう違うのか、貴重な体験をさせていただきました。PRO-1000に新しく搭載されたものによって、より飛躍的に改善されていることも実感させていただきました。何より、開発者の方々、販売の方々からのお話を聞けたこともとても興味深かったです。そして、私たちのインプレッションを聞いてくださっている間中、熱心にメモを取られているお姿は、この先、さらに素晴らしいプリンターが発売されるに違いないことを確信できました。キヤノンさん、キヤノンMJさん、EIZOさん、貴重なお時間をいただき大変ありがとうこざいました。

当日の動画は[Members only]ページから見ることができます。SAMURAI FOTOメンバーの皆さんはそちらからご覧ください。